【ニューヨーク1日(日本時間2日)発】テニスの全米オープン(ビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニスセンター)、男子シングルス3回戦で世界ランキング19位の錦織圭(28=日清食品)は同13位ディエゴ・シュウォーツマン(26=アルゼンチン)を6―4、6―4、5―7、6―1で下し、16強入りした。

 身長170センチのシュウォーツマンは錦織と同じラリー戦が得意な選手。今季のハードコートで苦戦が続く錦織に対して、GAORAテニス中継解説者の佐藤武文氏(47)は本紙で「ラリーが長く続く。錦織選手は自分らしい展開がつくれる。シュウォーツマンとの対戦で思い出してほしい」と今大会のポイントとして挙げた相手だった。

 戦前の予想通り序盤からコートを広く使い、スピードと技術を生かした攻防が続いた。錦織は積極的なプレーで持ち味を出しての快勝。「自分が打ち続けないと勝てない相手。何かを変えないといけないと思ったし、自分から仕掛けて思い切ったプレーができた」と手応えをつかんだ様子だ。

 試合中にベンチでノートを見る場面もあった。ノートには「自分に大切な言葉を書いてある。試合中は忘れがちになるので、思い出せるようにシンプルなことだけ」(錦織)が記されており、メンタルの安定を保った。

 4回戦では同34位フィリップ・コールシュライバー(34=ドイツ)と対戦する。コールシュライバーは3回戦で同4位アレクサンダー・ズベレフ(21=同)を破り勢いに乗っているが、過去の対戦成績では錦織が2戦2勝と苦手意識はない。3回戦で得たラリーへの手応えを自信に、悲願の4大大会優勝への道筋をつけたいところだ。