【フランス・パリ3日発】テニスの全仏オープン男子シングルス4回戦で、世界ランキング21位の錦織圭(28=日清食品)は同8位ドミニク・ティエム(24=オーストリア)に2―6、0―6、7―5、4―6で敗れ、8強進出を逃した。

 ティエムには過去2戦2勝の錦織だが、第1セットから大苦戦を強いられる。ティエムは今季、クレー(赤土)コートで同1位の“赤土の帝王”ラファエル・ナダル(31=スペイン)に唯一、土をつけている次世代クレー王候補。錦織はベースライン後方での戦いを強いられ、2つのブレークを献上した。

 第2セットは一方的な展開となる。ティエムの第1サーブは時速210キロを超え、第1、第2セットともに入れば100%でポイントを獲得するほど絶好調だった。

 後がない錦織は第3セット、意地を見せる。第12ゲーム、しぶとく粘ってティエムの焦りを誘い、逆襲ののろしを上げた。しかし、第4セット第7ゲーム、第2サーブを狙われ、ついに均衡を破られる。怒りの錦織はラケットを左手に持ち変え、力いっぱい、コートに叩きつけた。ラケットは土煙とともに空中でむなしく回転…。

 錦織の4大大会初制覇の夢はまたもお預けとなった。