卓球の世界選手権個人戦(ドイツ・デュッセルドルフ)を終え、女子シングルスで銅メダルを獲得した平野美宇(17=エリートアカデミー)、男子シングルスでベスト8入りした張本智和(13=同)ら日本代表が7日、成田空港に帰国した。

 日本は金1銀1銅3と大躍進。日本女子では48年ぶりという快挙を成し遂げた平野は「自分はまだ生まれていない。そんな記録を更新できてうれしい」と笑顔を見せた。4月のアジア選手権(中国)では世界ランキング1位の丁寧(26)らを破って優勝。今大会は準決勝で丁寧の気迫のプレーに敗れたものの、しっかりとメダルを獲得した。

 男子の張本も「ベスト8はびっくりしているが、立派な成績だと思った。トップ選手にも通用したし、たくさん成長できた」と収穫を口にした。

 平野の成長を後押しした一つに世界最高峰・中国スーパーリーグへの昨年の参戦がある。今季の参戦については「まだ分からない」(平野)としたが、強化にはもってこいの場だ。しかし、中国が鉄のカーテンを引く可能性もあるという。

「今、どんどん日本が中国に迫っている。今後、スーパーリーグが日本人選手を受け入れない可能性も出てくるでしょう」(日本卓球協会関係者)

 確かに平野は「中国選手に勝つため」という明確な目標を持ち、敵地に乗り込んで武者修行した。迎え入れた中国にしてみれば、日本の強化に一役買った格好。それだけに、2020年東京五輪最大のライバル国が有利になるようなことには、もう協力できない…というわけだ。

 平野は「中国選手に近づいているように見えて差はある。そんなに簡単なものではないなと思う」と冷静に現状を分析したが、中国に迫っているのは確か。東京五輪金メダルに向け、日中の激しいバトルが続きそうだ。