先週行われた卓球のアジア選手権(中国・無錫)女子シングルスで、世界ランキング11位の平野美宇(17=エリートアカデミー)が中国のトップ選手を次々に撃破し、史上最年少で優勝した。この快挙に卓球王国・中国はますます警戒心を強めている。

 準々決勝でリオ五輪金メダルで世界ランク1位の丁寧(26)を撃破。準決勝で同2位の朱雨玲(22)、決勝で同5位の陳夢(23)も破り、中国トップ3を下すという大金星を挙げた。平野も「調子が良かっただけでは中国選手に3回も勝てない」と自信を深めている。

 中国の卓球ファンは軒並み「平野はすごい。新しい女王の誕生かも」などとたたえたが、地元開催の重要な舞台で下克上を許したことは大問題。ポータルサイトの捜狐体育は「中国はこの最大のライバルにしっかり目を向けなくてはならなくなった」と警戒。平野はもちろん伊藤美誠(16=スターツ)を「平野と実力は同等で注意しなくてはならない」、早田ひな(16=希望が丘高)も「あと1、2年鍛えればもっと強くなる」と注視している。福原愛(28=ANA)や石川佳純(24=全農)ではなく、10代の若手たちを東京五輪に向けた最大のライバルと認識している模様だ。

 10代が目覚ましい成長を遂げる日本に対し、中国女子は世代交代がうまく進んでいない。中国各メディアは「早く新しい才能を見いだし、育てないといけない」と尻を叩く。

 逆に言えば、日本は3年後の東京五輪に向け、じわりじわりと王国打破が視界に入ってきた格好。このまま快進撃を続けたいところだ。