下を向いてはいられない。卓球の全日本選手権最終日(30日、東京体育館)、女子シングルス決勝は早田ひな(21=日本生命)が、伊藤美誠(21=スターツ)に1―4で敗れ、2年ぶり2度目の優勝はならなかった。

 混合ダブルス、女子ダブルスを制し、自身初の3冠に向けた戦いは、準決勝で加藤美優(22=日本ペイントマレッツ)と大接戦の末に勝利。勢いをつけて勝ち上がったが、1ゲーム目から伊藤に主導権を完全に握られた。4ゲーム目を奪取で一矢報いたが反撃もここまでとなった。

 試合後は「自分のレシーブの読みを完璧に読まれていたり、サーブで崩そうとしてもそれ以上のレシーブが返ってきたりした。戦術が固まらないまま終わってしまった。迷いがあって試合をしていた」と悔しさを吐露した。

 だが、一方で「伊藤選手にこれだけ悔しい気持ちを持てるのは、自分がもっとできる自信があるからこそ。今大会は苦しい試合はあったがその分、強くなっている感覚はある。台上のコースの甘さなどは練習しなきゃいけないと思ったけど、ラリーになった時の強さは日本、世界でも通用する。次こそはシングルスで優勝したい」ときっぱり。敗戦を今後の糧にする。