アクシデントに対する見解は? 2016年リオデジャネイロ五輪の卓球男子団体で銀メダルの吉村真晴(28)が、来春放送予定のテレビ朝日「とんねるずのスポーツ王は俺だ!!」の収録中に肋骨を骨折し、波紋を広げている。全治約8週間とみられ、選手生活への影響が心配されている。そこで番組収録に参加していた日本卓球協会の宮崎義仁強化本部長(62)を直撃。いったい現場で何が起きていたのか。


 ――吉村が参加した「スポーツ王」の収録中にアクシデントが起きた

 宮崎氏(以下宮崎)骨折したということでね。

 ――当時、収録現場にいたそうですが

 宮崎 そうそう、僕もいた。遠目から見ていたんだけど、(収録の)流れでレスリングの体勢でひっくり返す遊びをやっていて、今度は反対にひっくり返されるのをやったらと。そこで吉村がひっくり返される役になったんだけど、相手がレスリング選手だったからね。ちょっとパワーが違う。本人を含め、みんなが簡単な遊び程度と思っていたんだけど、レベルが違うと遊びでは済まないということだね。

 ――収録は続けられた

 宮崎 そういうこと(骨折)は分からず、次の日に本人から聞いた。収録のときは誰も気付かなかった。僕らも気付いていない。

 ――協会として、今回の件の受け止めは

 宮崎 率直にどうとも思わないというか、個人のプライバシーの範囲内なので何とも。例えば、吉村が交通事故を起こして骨折しても運転禁止にはできないし、電車が脱線してケガしても電車禁止ともできない。個人がやったことに対して、それを一つひとつ取り上げて対処することは全く考えていない。取材禁止もしないし、バラエティーを含むテレビ番組への出演禁止も考えていない。

 ――あくまで個人の問題という見解であり、協会が取り上げることではないと

 宮崎 ない。これが張本(智和)でも一緒だと思いますね。

 ――五輪が近いタイミングで起こったとしても

 宮崎 そう。そしたらリザーブが出るだけで、その選手に頑張ってもらうだけ。

 ――ルールで禁止事項を設けると、何もできなくなる可能性もある

 宮崎 そういうこと。繰り返しになるけど、これはあくまで個人の問題で、個人が食中毒を起こしたのと一緒。そこを悪いとして制限をかけるということは、ちょっと筋違い。

 ――同番組は、吉村も宮崎本部長も過去に出演経験があり、とんねるずは昔から卓球を取り上げてきた

 宮崎 ずっと応援してくれていた。

 ――その2人や番組に批判が向けられるのは望んでいない

 宮崎 批判というか、本当にひどいことをやらせたわけでもないし、簡単なことをやったら折れちゃったというだけで。

 ――宮崎本部長個人の見解は

 宮崎 個人的にはかわいそうだと思う。今回、ちょっとびっくりしているのは(競技の)超一流と素人ではそんなに違うんだと。例えば重量挙げの選手と僕らが握手して、ちょっと強めに握手してくださいと頼んだらボキッと折れたと。そういう感覚。パワーが常人とは違うんだということに驚いていて、触れ合うこと自体、危険だと思わないといけない。

 ――他競技とかかわるとはそういうこと

 宮崎 それで逆に、卓球は本当に安全だなと。誰がやってもまずケガすることはないし、本当にいいスポーツだと思います。だからこそ、ああいう卓球の収録でケガがあったのでビックリした。