近い将来、スポーツ界に一石を投じることになるのか。Tリーグの宮崎義仁理事長補佐(62)が、リーグのさらなる発展に向けて画期的な新構想を描いている。

 同リーグは2018―19年シーズンに初年度を迎え、男女各4チームでスタート。当初から東京五輪で金メダルを獲得した水谷隼(木下グループ)、張本智和(同)、石川佳純(全農)ら代表選手のほかに海外選手も参戦して盛り上げてきた。また、今季は女子に九州アスティーダが加わり、規模も少しずつ拡大している。

 ただし、リーグはまだ歴史が浅く、多くの国民に認知されているとは言いきれない。今後はレベルを落とすことなくチームを増やし、ファンを獲得していく必要がある。そうした中、宮崎氏は「パラ選手がTリーグに入ってもおかしくない」と斬新なプランを温めていることを明かした。

「卓球というのは3歳の子と90歳がやってもケガしない。また、健常者と身体不自由者、健常者と知的障がい者がやっても何ら問題ない。勝ったり負けたりするから、ハンディを与える必要もない」と説明。

 さらに宮崎氏は、日本リーグの協和キリンに東京パラリンピックで旗手を務めた岩渕幸洋が所属していることを例に挙げ、Tリーグで同様のケースがあってもいいとの見解を示した。

 すでに東京・北区の味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC)では、五輪を目指す選手とパラリンピックを目指す選手が同じ練習場を使用するなど連携しており、卓球協会強化本部長も務める宮崎氏は「パラ協会と一緒になって協力しようと。差をつけるつもりはまったくない」と力説する。

「他の競技よりもフラットだよね」と卓球界だからこそ可能な意義を強調。卓球界が独自の視点から目指す大改革。五輪とパラリンピックの〝境界線〟がなくなるはじめの一歩になるかもしれない。