卓球女子で東京五輪混合ダブルス金などメダル3つを獲得した伊藤美誠(21=スターツ)の〝強さの秘密〟に、宿敵・中国が興味津々だ。

 伊藤は水谷隼(木下グループ)とともに混合ダブルス決勝で中国ペアを撃破。シングルス、団体でも表彰台に立ち、同国メディア「網易」はコラムで「卓球における中国最大のライバルは日本であり、東京五輪で中国の長く続いた支配は破られた」とした上で、伊藤について「彼女の存在は間違いなく中国代表の女子選手にとって脅威だ」と述べている。

 そんな中、同コラムは伊藤が持つ最年少記録などを紹介しつつ、勝利に対する執念や「打倒中国」が根付いている理由は母・美乃りさんの〝洗脳〟にあると、やや誇張した表現で分析。美乃りさんが、伊藤が胎児のときから卓球の解説が伝わるようにおなかに筒を当て、伊藤が2歳で卓球に興味を示したことや伊藤が厳しいトレーニングでどんなに泣いても前を向かせたこと、伊藤が眠りに入るころに「中国選手を倒せるのはあなただけ」と語りかけていたことを挙げた。

 また、同コラムは美乃りさんの選手時代は「すでに中国がトップの座を占めていた」ために「彼女の願いは中国に勝つことであり、それは娘の伊藤美誠でなければならない」とみている。

 その一方で「伊藤は中国選手にプレッシャーと脅威を与えたが、中国選手の進歩を別の角度から推進し、前向きな役割を果たした」と指摘。中国の絶対王者としてのプライドは変わりないが、ここまで伊藤が〝ターゲット〟になるのも警戒している証拠だろう。

 今月の世界選手権(米ヒューストン)で日本勢と中国勢の対戦が実現すれば、注目が集まること間違いなしだ。