卓球女子でアジア選手権「3冠」を達成した早田ひな(21=日本生命)に、早くも〝王国〟が警戒している。

 同大会はドーハで行われ、早田は先月30日の団体決勝で韓国を下すと、4日に戸上隼輔(明大)と臨んだ混合ダブルスで韓国ペアを撃破。そして、同日に行われたシングルス決勝では申裕斌(韓国)を破って金メダルを獲得した。日本勢としてシングルス制覇は2017年の平野美宇(日本生命)以来4年ぶり、大会3冠は1974年の枝野とみえ以来47年ぶりの快挙となった。

 東京五輪はリザーブとしてメンバーのサポート役に回った早田だが、代表入りを逃した直後の昨年全日本選手権はシングルス、伊藤美誠(スターツ)とペアを組んだダブルスで優勝。Tリーグ20―21年シーズンでもチームの3連覇に大きく貢献した。すでに24年パリ五輪に向けて走り出しており、11月の世界選手権代表にも選出されている。

 そんな早田に対し、中国は即反応。同国メディア「網易」は「新〝伊藤美誠〟が3冠を獲得」との見出しで日本勢の活躍とともに早田の快挙を報じた。今回は中国選手は不在ながら、アジア選手権がメダルマッチで盛り上がっていることを伝え「早田ひなは最も優れた選手となった。パリ五輪に向けては『次の伊藤美誠』にもなるので、中国は注意が必要だ」と警戒感をあらわにしている。

 また、現地のフリージャーナリストは「早田ひなの進歩と脅威を無視することはできません。世界選手権までの準備で、(中国卓球協会会長の)劉国梁とコーチスタッフによって主要な研究相手の1人になる」と指摘。さらに「早田は性格、技術的包括性など多くの点で伊藤美誠に似ています。言い換えれば、パリ五輪に向けて中国女子は大きな課題に直面するでしょう」と述べた。