天才少女がたくましく成長中だ。アジア大会(9月、韓国・仁川)へ向けた卓球の女子代表選考会(1日、東京・北区)、注目の伊藤美誠(いとう・みま、13=スターツ)は準決勝まで勝ち上がり、若宮三紗子(24=日本生命)と対戦。3―1から逆転され、3―4で敗れた。伊藤は涙をぐっとこらえ「気持ちが足りないと思った。最近、挽回される試合が多い。反省しています」と話した。


 とはいえ、平野美宇(14=エリートアカデミー)と組んだダブルスで国際大会優勝を飾るなど成長著しい。関係者の評判もうなぎ上りだ。「集中力が途中で途切れることがなくなっている。前はミスをすると、子供みたいに本当に『ショボーン』としてたけど、最近はそれがない。経験を積んできた効果でしょう」(村上恭和監督)。外見はまだまだ子供そのものだが、劣勢の時にも感情に左右されなくなったのは大きな成長だ。


 身体的にもこれからプラスの変化が起きるという。「石川佳純(21=全農)もそうでしたが、筋肉がないころは相手に(左右などに)振られた時にミスが出ていた。でも成長して筋肉がつけば、安定してくる」(同監督)。天才少女から大人の選手へ過渡期のようだ。


 2016年リオ五輪、そして20年東京五輪での活躍が期待される13歳は「大人の選考会でこの順位が出せたことはうれしかった。これから海外でもいいプレーをして、悔しさを思い出して臨みたいです」と前を向いている。