卓球の全日本選手権最終日(17日、丸善インテックアリーナ大阪)、女子シングルス準決勝は昨年覇者の早田ひな(20=日本生命)が、東京五輪代表の伊藤美誠(20=スターツ)に3―4(11―4、9―11、9―11、11―7、11―8、8―11、8-11)で敗れた。

 全力を出しきった。伊藤をあと一歩のところまで追いつめた早田だったが、最終第7ゲームの8―8から3連続失点で決勝進出を逃した。しかし、試合後はすっきりした表情で「お互いのいいところが出まくって、最後の1本で決まるような試合だった。私自身、今まで試合してきた中で一番いい試合だったかなと。去年、伊藤選手と準決勝で対戦して勝ったときよりもお互いがレベルアップしていて、悔しいけど自分はやりきったと思います」と振り返った。

 昨年11月のW杯で3位、ITTFファイナル4強と中国選手と互角に戦った伊藤を相手に「これだけ試合ができたのは自信につなげていい」と自己評価。

 試合で手にした収穫は「伊藤選手が予想していないレシーブができたり、勇気を出してバックに深くツッツキができたり、1ゲームの中でどんどん展開を変えていくことができるようになった」。また、今後の課題については「何本もラリーが続いている状況で最後冷静に仕留める力が必要だと思いましたし、サーブの駆け引きもあるので、迷ったときに自信を持ってできるように精度を上げていくことが必要だと思います」と語った。

 新型コロナ禍で国際大会から遠ざかっている早田は、海外選手との試合に意欲満々。「早く中国選手と対戦して、私がどれだけできるようになっているかが楽しみ」と語る。

 進化を続ける20歳が卓球界をさらに盛り上げてくれそうだ。