日本卓球協会 国際大会再開でも派遣にゴーサイン出せない

2020年10月08日 11時30分

石川は国際大会の再開を喜ぶが…

“自己判断”に委ねたワケは――。国際卓球連盟(ITTF)が、11月の国際大会再開に向けて招待選手のリストを公開している。男女W杯、ITTFファイナル(いずれも中国)の3大会で、日本からは女子W杯(11月8~10日)に石川佳純(27=全農)と伊藤美誠(19=スターツ)、男子W杯(同13~15日)に張本智和(17=木下グループ)と丹羽孝希(25=スヴェンソン)、ITTFファイナル(同19~22日)には4人に加え平野美宇(20=日本生命)と佐藤瞳(22=ミキハウス)が名を連ねた。

 6人中5人が東京五輪代表で、1年延期となった本番へ貴重な実戦機会になるのは間違いない。実際に石川は「今までとは違う形、新しい形になると思うのでそれを受け入れつつ、協力できるところは協力して試合に参加していきたいし、そうやって東京五輪につなげていきたい」と前向きな言葉を口にしていた。ところが、日本協会は今回の国際大会再開に慎重な姿勢を貫き、“GOサイン”を出していないというのだ。

 ある協会関係者は「個人で参加することを妨げたりはしないが、『協会が派遣する』という形ではない」と本紙に明かした。個人参加となれば遠征費用は全額自己負担となり、中国に入国してから最低14日間の隔離生活が必要なことを考えると、普段以上の費用になることが予想される。帰国してからも空港でのPCR検査や約2週間の自宅待機など行動制限も多く、その後のトレーニングなどに影響を及ぼさないとも言い切れない。

 国内では1日にビジネスや留学などの中長期滞在者を対象にした入国制限の緩和が始まり、海外の往復も徐々に容易となりそうだ。ただし、協会は以前から「感染危険レベル1」の国、地域には派遣してきたが、現状は「2」や「3」ばかり。前出の関係者は「それでも行くというなら止めないが、体調を崩すようなことがあっても助けに行けないし責任も取れない」と話した。

 一方で強化面からは難しい判断になるが「何よりも一番大事な命には代えられない」(同関係者)。協会内ではかねて「(国際大会再開は)年内は無理だと思う」という意見が上がっており、本格的な海外派遣は「来年になってから」と考えていてもおかしくない。日本だけではなく海外選手の参加も不透明。“完全な形”となるにはまだ時間がかかりそうだ。