“ムチャぶり”も大歓迎だ。卓球女子で東京五輪代表の石川佳純(26=全農)が、最新技術によるデータ分析で本番での活躍を誓った。

 シスコシステムズによる「卓球×テクノロジーによる戦い方改革」のサポートを受けており、昨年5月から独自のアプリでデータ分析を開始。ラリーの軌跡や得点シーンをすぐさま再生することでプレーの向上に役立ててきた。さらに代表選考レース最終盤となった同11月からは、サーブからの得点率や失点率の項目も加えるなど細分化したデータで五輪シングルス代表権獲得につなげた。

 関係者によれば、卓球界では映像での対策はあっても、意外にも複数データによる「分析」は浸透していないという。実際に石川が「意外と分かっていないんだなと思った」と自身の感覚との“乖離”を指摘したうえで、コーチの助言も「(自分が)頑固なので『そんなことない』という思い込みがあったけど、データで見るとそれが事実なので、すごく素直に(アドバイスを)聞けるようになった」と納得して受け止めるようになった。

 分析チームは今後もバージョンアップを図っており、同社の生田大朗氏は「目前の東京五輪に向けてお役に立てることがあれば。今の分析以外にもお話をいただけたらやりたい」と鼻息が荒い。一方、サポートに携わるデータスタジアムの担当者も「卓球界のデータ分析はもっと細かくなるかもしれませんね。24時間フル回転で寝る間もなくなるかも(笑い)」と注文は大歓迎だ。

 最新テクノロジーを駆使することで、打倒・中国への突破口になる可能性もある。「サポートをパワーに五輪で一番強い自分でプレーできたら」と石川が“秘策”でメダル獲得となるか。