いよいよクライマックスだ。卓球の東京五輪シングルス日本代表争いは佳境を迎え、男女ともに残り1枠となる中、注目の女子は3大会連続五輪出場を目指す石川佳純(26=全農)と、初出場を狙う平野美宇(19=日本生命)の一騎打ち。ワールドツアー上位選手が参加する今季最後の国際大会グランドファイナル(12日開幕、中国・鄭州)で熱い“女のバトル”を繰り広げる――。

 東京五輪代表の座を巡る戦いは大混戦のまま最終局面を迎えた。シングルス代表は来年1月2日発表の世界ランキングで日本勢上位2人が選ばれるが、女子では日本勢トップの伊藤美誠(19=スターツ)の代表入りが確実な状況で、残る代表枠は「1」。その座を巡って石川と平野がシ烈な戦いを展開している。

 前哨戦となった8日(日本時間9日)の国際大会下部ツアー、北米オープン(カナダ)決勝では直接対決が実現し、石川が大激闘の末、平野を4―2で退けて逆転し、日本勢2番手に浮上したが、ポイント数は石川が1万830点、平野が1万695点。その差はわずか135点だ。

 16人によるトーナメント方式で行われるグランドファイナルが最終決戦の舞台となるが、今回獲得できるポイントに換算すると1勝の差にも満たない。今大会で同じ成績だった場合は石川がそのまま逃げ切りとなり、平野が石川より上位なら逆転可能な大接戦。まだ組み合わせは決まっていないものの、ともに1回戦で強豪選手との対戦が見込まれており、その戦いが注目される。

 一方、男子は2番手の丹羽孝希(25=スヴェンソン)が今季の成績からグランドファイナルに出場できず、3番手のベテラン水谷隼(30=木下グループ)が最後の望みをかける。丹羽を上回るには4強以上の成績が必要となっており、丹羽がやや優位な立場にある。

 すでに代表を確実にしている男子の張本智和(16=木下グループ)は一足先に東京五輪を見据えた戦いに移っている。張本は、1日に終了した男子ワールドカップの準決勝で五輪王者の馬竜(31)を破り、決勝当時世界1位の樊振東(22=ともに中国)に2―4と肉薄。史上最年少で優勝した昨年に続く連覇を目指す。