スキャンダルの影響はあるのか。卓球の東京五輪代表争いが佳境を迎えているが、注目はリオ五輪男子シングルスで銅メダルの水谷隼(30)だ。男子はすでに張本智和(16=ともに木下グループ)が五輪代表に決まり、残った1枠を丹羽孝希(25=スヴェンソン)と争っている。

 五輪シングルスの選出基準は「2020年1月時点の世界ランキング上位2人」。日本勢では現在水谷が3番手で、2番手の丹羽を追う立場だ。逆転を狙う水谷は、丹羽が補欠での出場資格しか持たない、ワールドツアー上位選手で争うグランドファイナル(12日開幕、中国)に全てをかけて臨む。

 その一方、11月には水谷への恐喝未遂の疑いで駒大生ら男女3人が逮捕された事件が記憶に新しい。もとはといえば水谷自身が起こした女性スキャンダルが始まりだったこともあり、練習や試合への影響があったことは想像に難くない。

 そこで、全日本選手権(来年1月13日開幕、大阪)の見どころ解説を行った男子の倉嶋洋介監督(43)に聞くと「どんな状況かっていうのは一応聞いたりしてます。その中で『大丈夫か』とか、声はかけましたけど、特にああしろ、こうしろとは言ってない」。プレーへの影響については「どうなんですかね」と口を閉ざした。かねて東京五輪での引退を口にしているが、身から出たサビを“糧”にして花道を飾ってほしいものだ。