3度目の五輪出場へ経験値をフル活用だ。卓球女子で世界ランキング6位の石川佳純(26=全農)が27日、ワールドツアー・中国オープン(28日開幕)に向けて成田空港から出発した。4月の世界選手権を終え、約1か月間みっちりとラケットを握った石川は「サーブレシーブや自分の攻撃で(世界選手権の)課題と思ったところを練習してきた」と充実の表情だ。

 そんな中、来年の東京五輪に向けた代表選考レースは中国オープンを皮切りに香港オープン(6月4日開幕)、ジャパンオープン(同12日開幕、札幌)と続くことで一気に加速する。日本女子は世界ランクで石川のすぐ後ろに7位の伊藤美誠(18=スターツ)、9位の平野美宇(19=日本生命)とまさにダンゴ状態。今後の成績次第では下位の選手が追い上げる可能性も十分ある。

 一歩リードしているとはいえ、プレッシャーは大きそうだが、当の本人は「五輪レースは誰がリードしていようが、最後は絶対に競るもの」ときっぱり。さらにロンドン五輪女子シングルスで4位入賞し、リオ五輪にも出場した自身の経験を踏まえ「ロンドンでは上を追いかけてリオでは追われる立場だったけど、五輪に出るのはそれだけ大変ということ。周りに影響されずに自分の力を出すことが大事」と余計な心配事は排除している。

 ランキング上位2人に与えられる五輪シングルスの出場権。「いろいろ考えてもらちが明かない。自分が強くなる、勝つことだけを考えている」と語った石川はこれまで築いた“財産”で切符を手にするつもりだ。