【令和の五輪】張本 中国が“コピー不可能”な怪物は前陣速攻を極める

2019年05月01日 16時30分

「令和の怪物」を目指す張本(ロイター)

 平成から新元号「令和」を迎えたスポーツ界では新世代のアスリートが台頭している。なかでも注目は卓球男子で世界を席巻する張本智和(15=木下グループ)だ。まだ10代の選手は飛躍的な進化を遂げて世代交代を実現させつつあるが、令和の五輪でスターは誕生するのか。

 元選手だった両親の影響を受けて2歳からラケットを握った張本は、全日本選手権(ホープス、カブ、バンビの部)で無敗の6連覇と快進撃。シニアの舞台でも2017年に史上最年少14歳61日でワールドツアーを初制覇すると、18年同ツアーグランドファイナルは大会史上最年少15歳172日で優勝した。

 張本のストロングポイントは前陣速攻型のプレースタイル。パワーとスピードを兼ね備えた積極的な攻撃は中国選手に多く見られ、リオ五輪男子シングルス銅メダリストの水谷隼(29=木下グループ)も「最近のプレーを見ていると(世界トップの)中国選手と同レベルまで来ている」と話したほどだった。

 さらに日本卓球協会の関係者は、張本が世界トップと互角に張り合える理由をこう説明する。「持ち味になっている前陣での力強い攻撃は対策するのが非常に難しい。張本のコピー(選手)を立てて練習しようにも、コピーができない。ということはパワーやスピードで対抗するというよりも構造的な欠陥を狙う、つまり戦術で対策を練るしかないということ」

 張本は自身のスタイルについて「(前陣速攻は)自分に合っているし、なおかつ勝てている。これからも基本的に前でのプレーになってくると思う」。今春、高校生になったばかりで成長曲線を描きながら“複製不可能”な腕前を磨いていく。

 前途洋々の15歳は令和時代に向け「平成を代表する(野球の)松坂(大輔=38、中日)投手のような選手になれるように。なれるか分からないけど、そこを目指して頑張りたい」と力を込めた。4月の世界選手権男子シングルスでは4回戦敗退で号泣したが、東京五輪で金メダルを獲得すれば“令和の怪物”と呼ばれるはずだ。