来年の東京五輪に向けて“代表サバイバルレース”が予想される卓球女子で、世界ランキング37位の早田ひな(18=日本生命)が存在感を発揮している。

 2月のチャレンジプラス・ポルトガルオープンの3回戦で元世界ランキング1位の劉詩ブン27=中国)を撃破すると、そのまま優勝。24日決勝のチャレンジプラス・オマーンオープンも制し、国際大会2連勝を飾った。日本卓球協会の関係者は早田の奮闘ぶりに「今、最も勢いのある選手と言っていい」と評価。劉を下したことで「中国でも研究対象になるなど、かなり警戒されているようだ」と明かした。

 1月の全日本選手権女子シングルスでは世界4位の石川佳純(26=全農)に快勝し、伊藤美誠(18=スターツ)と組んだ女子ダブルスでは2連覇を果たした。Tリーグでは初代女子MVPと国内でも実績を残している。この勢いで東京五輪に殴り込み…といきたいところだが、選考レースの道のりはかなり厳しい。

 現在、日本10番手の早田は4月の世界選手権(ブダペスト)、10月のW杯(成都)に出場できないため、ワールドツアーや今年新設のT2ダイヤモンドといった国際大会でランキングを上げなければならない。またチャレンジプラスの優勝では大きくポイントを稼げず、協会関係者は「(26日開幕のワールドツアー)カタールオープンで優勝するくらいでなければ上位に食い込むのは難しい」と指した。さらに世界選手権の代表選考会では逆転負けを喫するなど「ここ一番に弱いイメージもある」ことも払拭しなければならない。

 ただ、本人は“背水の陣”であることは百も承知で「今の時点では(五輪出場は)厳しい。でも、ワールドツアーで勝ち上がって、どんどん中国選手を倒してポイントを稼いでいく」と意気込む。伊藤、平野と同世代の注目株が選考レースに大波乱を起こせるか。