卓球のジャパントップ12大会(3日、カメイアリーナ仙台)で、男子は張本智和(15=エリートアカデミー)が決勝で水谷隼(29=木下グループ)に4―0でストレート勝ちを収めて初優勝を飾った。

 リオ五輪男子シングルス銅メダリストを寄せつけず「これくらいのスピードでいかないと世界のトップ(を狙うの)は難しいので、このままの勢いで突き抜けていきたい」と力強く宣言した。

 金メダルの期待がかかる来年の東京五輪へ、今後はワールドツアー・カタールオープン(26日開幕、ドーハ)、4月の世界選手権(ブダペスト)と国際大会に出場。徐々に状態を上げている一方で、15歳のエースには意外過ぎる一面があるという。日本卓球協会関係者が証言する。

「パワーといい、技術といい、中国のトップクラスの選手にも十分通用するのはご存じの通りですが、実は他のスポーツが苦手みたいで…。マット運動にしても鉄棒にしても決してできるほうとは言えず、始球式に備えてキャッチボールした際も全然でした。また、五輪後なんかもオファーが来るだろうし、キャッチボールはやっておいていいと思うんですけどね」

 卓球界では水谷がサッカーを得意としており、身体能力の高さはJ1磐田のスカウトにも目をつけられたほどだった。昨年引退した福原愛さん(30)は水泳を得意としていたことは有名な話。さらに、かつてJOCエリートアカデミーに在籍した谷岡あゆか(24=日体大)は野球で100キロを超える速球を投げていたというが…。

 もちろん、生まれてから卓球一筋で育ってきた15歳には“本業”以外の競技に取り組む時間など全くなかったのだろう。「二刀流」などマルチな才能がもてはやされる時代で、一般人には何だかホッとする話だ。