卓球女子でロンドン&リオデジャネイロ五輪団体メダリストの福原愛(29)が21日、自身のオフィシャルブログで現役引退を発表した。

 3歳から卓球を始め、「天才少女」「泣き虫愛ちゃん」としてテレビ番組などで取り上げられ人気者に。日本のトップ選手となってからも中国スーパーリーグに参戦し、活躍の場を広げてきた。転機はリオ五輪後に台湾の卓球選手、江宏傑(29)と結婚し昨年10月に長女を出産したこと。リオ五輪を最後に試合出場はなく、選手としては完全に“休業”状態だった。

 それがなぜこのタイミングで引退を発表したのか。ブログによれば、福原は育児の間も現役復帰を模索していたという。大きく変わったのは後輩たちの急成長で世代交代を実感したからだ。「知らない内に私自身で勝手に感じていた肩の重みが、すっと抜けるような感覚があり、(中略)自分が選手としての立場でやるべき使命は果たせたかな、と感じるようになりました」(原文ママ)

 現実問題として、卓球界ではこの2年間に女子では伊藤美誠(18=スターツ)と平野美宇(18=日本生命)、男子では張本智和(15=エリートアカデミー)ら10代が一気に覇権を握った。伊藤と平野は最強中国相手に五分に渡り合えるレベルにまで達しており、昨年から「(福原の)代表入りは相当厳しいだろう」という声が上がっていた。2020年東京五輪の代表選考は同年1月の世界ランキングで決定する。出場を狙う選手はランクアップを目指して激しい争いを始めており、ランキングから外れた福原が食い込む余地はなかったのも事実だろう。

 ただ、福原が卓球から離れることはない。ブログにも「別な形で携わる」と記し、すでに24日開幕の卓球新リーグ「Tリーグ」の理事に就任。今度は後方から“愛ちゃんスマイル”で後輩たちを見守り続けるようだ。