王国の評価はいかに? 卓球のワールドツアー、荻村杯ジャパン・オープン男子シングルス決勝(10日)で、14歳の張本智和(エリートアカデミー)がロンドン五輪金メダルの張継科(30=中国)を4―3で破り初優勝。9日の準々決勝ではリオデジャネイロ五輪金メダルの馬竜(29=中国)にも勝利したとあって、中国卓球ファンに大きな衝撃を与えた。

 張本の大金星は、世界最強の中国でも大きく報じられた。特に、人気がある張が張本に敗れたことを伝えた「新浪体育」の記事には、2万5000件ものコメントが寄せられた。

 しかも「張本はまだ14歳。この先、10年は日本が卓球男子を支配するね」「張はもう引退しろ」「張本はよくやった。傲慢な中国代表のスターたちを叩きのめした」などと王国にとっては厳しい声が…。

 またここ数年、日本がじわじわと中国に迫り、現実に結果として現れたとあって「狼が来るぞ、と言っていたら本当に来た」とも…。さらに昨年6月、長らく総監督として中国代表強化に携わったにもかかわらず、単なる名誉職の中国協会19人目の副会長に追いやられた劉国梁氏(42)の名を挙げて「劉を戻してほしい」との声も上がった。

 地元日本開催の利もあったろうが、勝利は勝利。2020年五輪はもちろん東京開催だけに、女子で優勝した伊藤美誠(17=スターツ)とともに、日本の若き才能が卓球王国に厳しい現実を突きつけたようだ。