【卓球】世界選手権で銀メダルの日本を中国が警戒

2018年05月07日 16時30分

銀メダルを手に笑顔の(上左から)石川、伊藤、平野、(左下から)早田、長崎美柚(ロイター)

【スウェーデン・ハルムスタード発】逆転へ大きな一歩となったのか。卓球の世界選手権団体戦女子決勝(5日)、日本は中国に1―3で敗れて銀メダル。47年ぶりの優勝はならなかった。それでもこれまで歯が立たなかった卓球王国相手に、伊藤美誠(17=スターツ)が元世界ランキング1位の劉詩雯(27)から勝利を奪うなど大躍進。2020年東京五輪に向け、中国でもこれまで以上に日本への警戒度が高まっている。

 日本は2014、16年大会で決勝に進出し中国と対戦したが、いずれも0―3のストレート負け。卓球王国強しの印象だけが残った。しかし今回は伊藤が日本人選手に37連勝中の劉から大金星を挙げた。最終ゲームは8―10から大逆転勝利で、伊藤は「攻めることを忘れず、思い切って自分のプレーをしたことが勝ちにつながった」と胸を張った。

 続く平野美宇(18=日本生命)は敗れたものの、リオ五輪女子シングルス金メダルの丁寧(27)に善戦。第2、3ゲームはデュースに持ち込み競った試合を展開し、女王を追い詰めた。結果的には0―3で、平野は「そこまで悪くなかったが、相手の方が一つ上。自分の実力不足」と負けを認めたものの、手応えはつかんだ様子だった。

 中国メディアも日本が実力を上げたとみている。「新浪体育」は20年東京五輪に向けた展望記事を掲載した。

「日本がどんどん中国に近づいている。団体、シングルスにかかわらず、日本が最大のライバルになる。特に伊藤と平野は中国を脅かす存在になる可能性が高く、団体ではより中国に圧力をかけてくるだろう。彼女らはまだ若くさらに進歩する。中国はしっかり準備をしなくてはいけない」

 これまでも平野が17年アジア選手権で中国のトップ3を破るなど結果を残してきたが、当時はボールの影響なども取りざたされた。今回は世界選手権の大舞台で女王軍団に冷や汗をかかせたことで本格的な“要注意ランプ”が点灯した格好だ。記事中では丁や劉に対して「ベテランももっと高みを目指さなければ」と尻を叩く。それだけ日本への警戒度が高まっている証しと言える。

 五輪ではシングルス2人、団体要員1人の3人が代表入りする。東京五輪代表の座に就くには、今大会主将の石川佳純(25=全農)やダブルス巧者の早田ひな(17=日本生命)らを含めた激戦を勝ち抜く必要があるだけに、さらなる成長が見込まれる。

 伊藤は「次は必ず日本が中国を倒すという思いでやりたい」と表情を引き締めたが、ホームの東京で歴史を塗り替える準備は着々と進んでいる。