競泳女子のシンデレラガール・池江璃花子(16=ルネサンス亀戸)が2017年もマイペースを貫く。9日、初の高地合宿となるメキシコから成田空港に帰国した。

 標高2300メートルの高地で心肺機能を鍛え、得意の自由形、バタフライだけでなく、4泳法すべてに挑戦するなど充実の内容。ただ、酸素の薄い独特の環境は人によって、向き不向きがあると言われる。池江も「最後はしっかり自分を追い込むことができて、いい合宿だった」と振り返ったが、一方で「自分的には平地とかで限界まで追い込むほうが向いている」と課題も示した。

 若さと美、実力を兼ね備える東京五輪のメダル候補は、今年も高い注目を集める。年末年始には日本のテレビ3局がわざわざメキシコに取材に訪れ、新年の抱負を聞いた。こうなると、有頂天になりそうな気もするが、池江にその気配は全くない。心に刻んでいるのは、トップ選手になる前の経験だ。

 池江は「周りに自分より速い選手がいて、調子に乗っている選手とか見てて、自分も嫌だなと思ったので、そういう人が嫌だなと思うことは自分もやりたくないと思っている。(母にも)小さいころから社会のマナーを教えてきてもらっている」と話している。

 成長し続ける秘訣はこのひたむきな姿勢にある。日本女子最速スイマーは今年も加速していく。