スーパー中学生が快挙だ。競泳ワールドカップ東京大会初日(28日、東京辰巳国際水泳場)女子100メートルバタフライで中学3年生の池江璃花子(15=ルネサンス亀戸)が57秒56の日本新記録で優勝した。

 決勝では星奈津美(25=ミズノ)や“鉄の女”カティンカ・ホッスー(26=ハンガリー)の世界選手権金メダリストたちを置き去りにする堂々の泳ぎ。電光掲示板を見ても「びっくりして状況を把握できなかった」というが、事態を把握すると目に涙がたまり、あどけない表情をくしゃくしゃにした。

 初出場だった8月の世界選手権はリレーメンバーでの代表入り。だが、個人種目でもリオ五輪を狙えることを証明した。

 その特徴は抜群の勝負強さだ。平日に朝練をこなすこともない「その辺にいるような子」(村上二美也コーチ)が、大会を迎え、水に入ると一変。「大舞台で結果を出す。集中もする。その切り替えがうまい」(同)。今大会も、23日にリフレッシュも兼ねたグアム合宿から帰国したばかり。大会前は「疲れの残ってる中なのでタイムはイマイチかも」と話していたにもかかわらず、大仕事をしてみせた。

 この日は北島康介(33=日本コカ・コーラ)や渡部香生子(18=JSS立石)が決勝に進めないなど、主力が低迷。それだけに池江の奮闘が目立った。「個人(種目)で絶対リオにいきたい」。その夢に近づく大きな一歩を踏み出した。