2016年リオデジャネイロ五輪競泳男子400メートル個人メドレー金メダルの萩野公介(27=ブリヂストン)が〝戦友〟への思いを口にした。

 24日に都内で引退会見を行った萩野は「(東京)五輪に入る前から、この大会が最後になると決めていた。(五輪では)200メートル個人メドレーに絞って、予選、準決勝、決勝と3本泳げたことは非常にうれしい。僕はすごく幸せですし、悔いはありません」と充実の表情を見せた。

 萩野は同級生の瀬戸大也(TEAM DAIYA)と長年しのぎを削ってきた。戦友とは「『お疲れさま』と言ってもらって、僕自身も『ありがとう』と。『彼がいなかったら僕はいないですから』と、そういう風に伝えた」と会話をしたという。

 子供のころから何度も戦ってきたからこその思いもある。「勝っても負けても彼との試合だけは『次はどっちが勝つか分からないよね』みたいな特別な感じがあったというか、不思議な関係だった」と神妙に語った。

 萩野はプールから去る一方で、瀬戸は23日に競泳界4人目のプロ転向を宣言。今後は別々の道を歩んでいく。「寂しい思いもありますけど、頑張ってほしい」とエールを送った。