【競泳】史上最年少のメダリスト・山田美幸は文武両道「考える力」が競技のプラスに!

2021年08月26日 05時15分

日本勢の今大会メダル第1号となると同時に、表彰台の史上最年少記録を更新した14歳の山田美幸(ロイター)
日本勢の今大会メダル第1号となると同時に、表彰台の史上最年少記録を更新した14歳の山田美幸(ロイター)

 笑顔があふれ出た。東京パラリンピック競泳女子100メートル背泳ぎ(S2)決勝(25日、東京アクアティクスセンター)、全競技を通じて日本選手団最年少となる14歳の山田美幸(WS新潟)が2分26秒18で銀メダルを獲得。日本勢の今大会メダル第1号となると同時に、表彰台の史上最年少記録を更新した。

 地道に努力を重ねてきた。生まれつき両腕がなく、両脚の長さも違うが、小児ぜんそくの症状を改善するために、5歳から水泳をスタート。当初は趣味程度だったが、前回のリオ大会をテレビで見て「世界の選手たちと一緒に泳ぎたい」と一念発起。本格的に競技と向き合う日々が始まった。

 練習量が増える一方で、勉学も怠らなかった。自身が通う新潟・阿賀野市立京ヶ瀬中学校では1、2年時に学年委員を務めた。3年になった今年は受験勉強にも追われているが「学校も精いっぱい頑張りたいし、合宿にもできるだけ参加して、脚の力の強化やターン、スタートなどもしっかり練習していきたい」と文武両道を貫いている。

「考える力」は競技にもプラスとなった。両腕はなくても、脚を使ってご飯を食べたり、競泳用帽子やゴーグルの位置を調整する〝繊細さ〟を泳ぎにも活用。一般的に競泳選手はキックの際に脚を縦に動かすが、山田は「足を横に動かす感じでキックをする」。試行錯誤を繰り返し、自らの体に合ったスタイルを確立した。

 決勝のレースでは、野田文江コーチから受けた「ストロークをゆっくり」とのアドバイスを参考に、序盤から積極的な泳ぎを披露。「予選の結果が全体の3位で、銀を取れると思っていなかったので、すごくうれしい。今までで一番頭を使った」と満面の笑みを浮かべた。

 2年前には、父・一偉さんを亡くしている。「(父が)『パパはちっちゃいころからカッパだったよ』と言っていた。頑張りました。『私もカッパになった』と伝えたい」。天国の父へ、娘が最高のプレゼントを届けた。

関連タグ:

ピックアップ