競泳・日本選手権兼東京五輪代表選考会最終日(10日、東京アクアティクスセンター)、白血病からの完全復活を目指す池江璃花子(20=ルネサンス)が、女子50メートル自由形決勝を24秒84で優勝。今大会、100メートルバタフライ、同自由形、50メートルバタフライに続く「4冠」を達成した。

 圧巻の泳ぎを見せた池江について、西崎勇コーチは「本人とは直前の合宿から笑顔を絶やさず練習をして、試合自体はエンジョイしようというところで目標を立ててトレーニングしました。全部レース終わって本人と会いましたけど、素晴らしい笑顔で帰ってきましたので『グッドだね』という話でグータッチした」と振り返った。

 闘病生活で一時は15キロ近く体重を落とした池江だったが、練習再開後は食事の量や回数を増やして少しずつ取り戻している。そんな〝食トレ〟の一幕を西崎コーチが明かす。

「ホテルの夕食を食べた後、今日は食べれそうだなという表情だったり食事の量を見て、私から声を掛けて『今からラーメン行くか?』なんて話してましたら、(池江が)『はい!』と言って、一緒に行ってペロリと一人前食べるときもあります」

 ラーメンはあくまで一例だが、西崎コーチは「体力を戻すというところで、やはり食が基本だと思います」と強調。また、今大会は栄養士に夕食を準備してもらうこともあったようで「皆さんのサポートのおかげで全日程、現段階では体調も崩さずやり切れたなという感想です」と語った。