“ニンジン作戦”は成功するのか。競泳のコナミオープン(15日開幕、東京辰巳国際水泳場)で新たに賞金制度が導入された。世界記録を樹立した選手に3000万円、日本記録を樹立した選手には500万円を贈呈。ロンドン五輪男子200メートル背泳ぎ銀メダルの入江陵介(30=イトマン東進)は「ありがたい。大会も盛り上がるし、水泳も注目されることになる」と大歓迎だ。

 競泳界では昨年、賞金大会の国際水泳リーグ(ISL)が開催され、国内も北島康介杯で賞金制度を導入。4月の東京五輪代表選考会を兼ねた日本選手権(東京アクアティクスセンター)でも賞金が設定される方針だ。

 こうして国内外で“おカネ”の流れが生まれているものの、コナミオープン関係者は「複数の大会で賞金が出るのは把握しているが、それに乗じてというわけではない。あくまで今年の五輪開催に向けて、選手に高いモチベーションを持ってもらうために賞金を設定したということ」と意図を説明した。

 注目すべきは賞金が桁違いに高額なことだ。北島杯(世界新で100万円、日本新で10万円)と比べても一目瞭然で、別の競泳関係者は「海外の賞金レースでも数十万~100万円というのはあるが、今回のような金額はなかなか聞いたことがない。(運営の)親会社のコナミホールディングスが決めたようだ」。

 昨年の世界選手権で日本競泳陣はメダル6個だったが、東京五輪に向け選手にひと皮むけてもらうために用意された最大級の“ご褒美”。これで一気にメダル量産となるか注目だ。