【競泳世界選手権】瀬戸 自らに課した超過酷な「金プロジェクト」

2019年07月26日 16時30分

金メダル獲得に絶叫する瀬戸。五輪代表の座も手にした(ロイター)

【韓国・光州25日発】水泳の世界選手権第14日、競泳男子200メートル個人メドレーで、瀬戸大也(25=ANA)が1分56秒14で金メダルを獲得し、競泳勢で最初の東京五輪代表に決まった。瀬戸にとって世界選手権の金メダルは3個目で、北島康介とともに日本最多で並んだ。残る400メートル個人メドレーも制し、2冠達成となれば、2003年大会の北島以来となる。そんな競泳界の新エースは舞台裏で“金メダルプロジェクト”に取り組んでいた。

 これまで表彰台がなかった種目で自己ベストを0秒55も更新し、初制覇。スタンドで見守った仲間たちに向かって何度も右腕を突き上げて歓喜した。競泳勢で初となる五輪代表に決まって取材エリアに現れた瀬戸は、開口一番「イエーイ、最高です」と叫んだ。

 今大会は男子200メートルバタフライの銀に続いて、2つ目のメダル。しかも五輪と世界選手権を通じ、日本勢が同種目を制したのは初めてだ。

 この快挙について「積極的に行こうと決めていた。後半バテることを怖がらずに泳ぐことができた。思った通りのレース展開だった」と振り返った。

 すでに東京五輪での金メダル獲得に照準を合わせているが、そのきっかけになる出来事があった。3種目で2位だった昨年4月の日本選手権直後。2位にもかかわらずテレビ番組に呼ばれ「どこか満足している自分がいた」。自分も写った大会のポスターを街で見て、ふと我に返り、問いかけた。

「2番で悔しくないのか」

 世界選手権、そして東京五輪で金メダルを取るために、すべてのプランを見直した。練習も大学時代に行っていた耐乳酸トレーニングを導入。瀬戸によると、追い込み型の練習でバタフライ、背泳ぎ、平泳ぎで肉体を酷使した上、最後はクロールでさらに負荷をかけるという。「それができたら金メダルと思っているので。もう一段階レベルアップできる」。実際、この日のレースも途中追い上げられながらも終盤に逃げ切れたのは、この練習の成果とも言える。

 そして、食事面も改善した。大好きなこってりラーメンを封印し、アスリートフードマイスターの資格を持つ元飛び込み日本代表の優佳夫人が大会に向けてカロリーなどを調整。また試合の日は効率よく吸収するために補食を12回と細分化し、スタミナ強化につながった。瀬戸は「自分が好きなものというよりも、試合に勝つために何を食べるのか」と語る。

 五輪代表に決まり、金メダルという目標はさらに明確になった。約1年後に本番が迫るなか「期待してもらえると思うが、自分がやるべきことは全力で泳ぐこと。あまりプレッシャーは感じていない」と、あくまで自然体で努力を続けていく。