日本相撲協会は28日、東京・両国国技館で臨時理事会を開き、春巡業中に波紋を広げた土俵上の「女人禁制問題」について協議した。

 八角理事長(54=元横綱北勝海)は「このたびは暴力等の問題に続き、土俵の女人禁制をめぐる混乱を起こしまして、誠に申し訳ありません」とファンに向けて談話を発表。大相撲では女性を土俵に上げない伝統があるなか、人命に関わる緊急時は例外であることを改めて強調した。今後はアンケート調査などで外部からの意見を集めながら、協会内で議論を継続していくことになった。

 また、巡業で行っていた子供の稽古は当面の間は休止にする方針。今年の巡業から事故予防のため女児の参加自粛を求めていたが、春巡業では男児がけがをしたとの訴えが2件、保護者から寄せられたという。

 協会は、一人の関取に対して一斉に複数の児童がぶつかる現行のやり方の見直しが必要と判断。女児の参加も含めて、安全な方法を検討した上で再開を目指す。広報部長の芝田山親方(55=元横綱大乃国)は「子供と相撲を取ることは底辺拡大につながる。ケガ防止策を考えないといけない」と話した。