横綱白鵬(33=宮城野)が16日、春巡業に復帰した。9日に76歳で死去した父のジジド・ムンフバトさんの葬儀に参列するためにモンゴルへ一時帰国していた。この日は東京・靖国神社で行われた奉納相撲に参加。横綱土俵入り前には日本相撲協会の八角理事長(54=元横綱北勝海)らにあいさつと報告を行った。

 尊敬する父を失った白鵬は「たまにタメ息が出る」と心の傷は癒えていない様子。それでも、観客から大きな声援を受けると「帰ってきたという感じ。(自分の)居場所はここだなと。仕事をしなくちゃいけない」と第一人者として責任感を口にした。本場所は2場所連続で休場中だが、次の夏場所(5月13日初日、東京・両国国技館)の出場には意欲を見せる。

 大横綱は「夏場所に出ないといけないですから。心と体を一致させなきゃいけない。いろんなことを感じながら、改めてどう精進していくか。一つひとつ積み重ねていきたい。5月場所が終わったら横綱12年目になる。誰も歩んでいないところを歩んでいかないといけない」と表情を引き締めた。