大相撲の春巡業(12日、埼玉・草加市)で横綱稀勢の里(31=田子ノ浦)が合流した。稽古では十両佐田の海(30=境川)と相撲を10番取って8勝2敗。久しぶりに関取衆と胸を合わせた和製横綱は「気持ちよかったです。いろんな力士と稽古していければ。しっかり番数を重ねて体をつくっていきたい」と話した。

 3月の春場所は左胸のケガで全休し、6場所連続で休場中。次に出場する場所で進退をかける意思を示している。夏場所(5月13日初日、東京・両国国技館)での復帰へ向けて「今やるべきことをやるだけ。まだ初日まで時間がある。やっぱり万全の状態にするのが一番。15日間、しっかり戦えるように心と体を鍛錬していきたい」と意欲を見せた。

 ただ、この日の稽古でも古傷の左胸を気にするしぐさを見せるなど、まだ違和感がある様子。横綱審議委員会の北村正任委員長(毎日新聞社名誉顧問)は万全でなければ夏場所の休場も「やむを得ない」との立場だが、本番までにどこまで状態を上げられるか。