協会は告発状より問題視 貴親方“無断欠勤”問題の深刻度

2018年03月14日 14時00分

稽古後に取材を受けた貴乃花親方

 大相撲春場所3日目(13日、大阪府立体育会館)、渦中の貴乃花親方(45=元横綱)は3日連続で会場に姿を現さなかった。同親方は9日に元横綱日馬富士(33)の傷害事件に関する日本相撲協会の対応をめぐり「重大な疑義」があるとして内閣府の公益認定等委員会へ告発状を提出。同委員会は受理し、調査に乗り出すことになった。この動きに相撲協会は現時点で静観の構えで、むしろ「欠勤問題」のほうを深刻に見ている。いったい、どういうことなのか?

 公益法人である日本相撲協会を所管する内閣府の梶山弘志担当相(62)は13日、貴乃花親方が提出した告発状を9日付で受理したことを明らかにした。その上で「告発状の指摘を含めて委員会の事務局が調査する。(協会が)公益法人としての体裁を整えているかという視点で調査する」と話し、協会関係者から事情を聴く見通しを示した。

 相撲協会の八角理事長(54=元横綱北勝海)は「(内閣府から)いつ話が来ようが、何も。しっかりやっているので全然問題ない。公明正大にやってます」と話しており、現時点では静観の構え。すでに協会は調査内容の詳細や処分理由を公表しており、適正に対応したとの自負がある。春場所にぶつけるタイミングで告発状を提出したことの是非は別にして、角界内ではすでに「解決済み」の問題と受け止められている。

 協会が「深刻」としているのは、むしろ欠勤問題のほうだ。本場所開催中、全親方衆は会場に出勤する義務があるなか、貴乃花親方は初日(11日)を“無断欠勤”。この日を含めて3日連続で姿を見せなかった。広報部長の春日野親方(55=元関脇栃乃和歌)は2日目(12日)に貴乃花親方からファクスで欠勤理由の通知を受けたことを認めた上で「こちらから(協会の見解を)返答はした」と文書でやりとりを交わしていることを明かした。

 親方が本場所を休場する場合には、力士同様に病院の診断書を提出するのが決まりだ。今回の“無断欠勤”を黙認すれば、ルールそのものが崩壊してしまう。貴乃花親方は今年初場所後にテレビ朝日系列の番組へ“無断出演”して問題となったばかり。相撲協会は番組出演に必要な事前申請を受けておらず、親方衆から「(申請は)誰でも知っていること。決まりを守らないのはダメだ」などと不満が噴出した。

 このことは相撲協会が9日に開いた理事会でも議題になり、その後の年寄総会で協会から事情説明が行われた。親方衆の間では今場所の欠勤についても疑問の声が高まっており“おとがめなし”なら、新たな批判が出ることは必至。もはや協会としても無視できない「深刻な問題」になっているのだ。

 そうしたなか、貴乃花親方は13日に部屋の公式サイトのメッセージを更新した。

 その中で、自らの欠勤理由について「それぞれの職務は、その職に応じた役割があり、役員室に閉じこもっていては、その職務を全うできないというのが私の信条です。明日以降、貴ノ岩の状況を見極めながら、エディオンアリーナ大阪(大阪府立体育会館)において、対応させていただく予定でございます」と主張したが…。メッセージの通りに14日以降、貴乃花親方が会場に姿を見せた際に、どんな事態が起きるのか? 貴乃花サイドと協会の今後の対応に注目が集まる。