大相撲春場所(11日初日、大阪府立体育会館)を控えた6日、3横綱の調子が一向に上がらない。

 横綱稀勢の里(31=田子ノ浦)は大阪・高石市市内で行われた二所ノ関一門の連合稽古に参加した。5場所連続休場中で動向に注目が集まる中、この日は四股やすり足など基礎運動をしただけ。痛めている左胸付近に手を当てるしぐさを見せ、ぶつかり稽古で胸を出すこともしなかった。

 稀勢の里は「何とも言えないような感じ。しっかり15日間を乗り切る体をつくらないといけない。なかなか思うようにいかない面もありますけど…。今はやれることをしっかりやる」と歯切れが悪かった。前日の連合稽古も欠席しており、2日間連続で相撲を取らなかったことになる。調整の遅れは隠しようもなく、6場所連続の休場が極めて濃厚となった。

 両足親指のケガで初場所を途中休場した横綱白鵬(32=宮城野)は出稽古を回避。大阪市内の部屋宿舎で四股など軽めの調整にとどめ「多少、疲れがたまった。いろいろ感じるものがあった。自分なりにやっていきたい。体と相談しながら」と説明した。白鵬は本番の1週間前から3~4日連続で出稽古をするのが恒例。出場に向けてペースは上がってこない。

 横綱鶴竜(32=井筒)は先場所千秋楽で右手の指を負傷。大阪市内で開かれた春場所前夜祭への出席後に取材に応じ「まわしを取らずに相撲は取れるけど、それは自分の相撲じゃない。グッとひと握りができない」と、万全ではないことを明かした。

 本番5日前になっても、3横綱は不安を抱えたまま。春場所は初日からまさかの「トリプル休場」の可能性も出てきた。土俵外の不祥事が続く角界ではかねて横綱の権威失墜も指摘されているが、沈滞ムードが上向く気配はない。