大相撲の貴乃花親方(45=元横綱)が「独占緊急特報!! 貴乃花親方すべてを語る」(7日、テレビ朝日系)に“無断出演”した問題で8日、角界内に余波が広がった。

 日本相撲協会は番組を放送したテレ朝に対して正式に抗議することを検討。協会員の映像を使用する際に必要となる申請書が事前に提出されておらず、協会側が問い合わせても担当者と連絡がつかない状態だという。

 同番組の平均視聴率は13・6%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)と高い数字をマークしたものの、協会側は今回のルール違反にカンカン。広報部副部長の芝田山親方(55=元横綱大乃国)は「申請書が出ていない中で放送された。これがまかり通れば完全に(映像の)たれ流しになる。肖像権が相撲協会にあることを、しっかり主張していかないといけない」と語気を強めた。

 さらに相撲協会は番組内容についても問題視している。貴乃花親方は弟子の貴ノ岩(27)が元横綱日馬富士(33)から暴行を受けた問題で、相撲協会に対して独自の供述書や意見書を提出したことを番組内で明かし「(協会は)公平性に欠けている」などと批判を展開した。

 これに対して芝田山親方は「彼(貴乃花親方)が何を言おうと(相撲協会の)危機管理委員会が聞き取り調査をした上で発表したことがすべて」とピシャリ。協会側の対応に問題がなかったことを改めて強調した。

 現時点で相撲協会の抗議の対象にしているのはテレ朝で、番組に出演した貴乃花親方本人への処分は検討されていないものの、角界内に新たな“しこり”を残す結果となった。