貴乃花親方の公式HPでの決意表明に“反貴派”「いろいろ言う前に自分の仕事しろ」

2018年02月02日 12時00分

一門の会合を終えた貴乃花親方

 いろいろ言う前に自分の仕事を果たせ――。日本相撲協会の次期理事候補選挙立候補の届け出が1日、東京・両国国技館で行われた。理事候補の定員10人に対して11人が出馬し、5期連続の投票(2日)に持ち込まれた。その動向に注目が集まっていた貴乃花親方(45=元横綱)も立候補届を提出。さらには部屋の公式サイトで自らの出馬を報告し、大相撲の現状に疑問を呈した。この「貴乃花発言」をめぐり、角界内では大きな波紋が広がっている。

 この日の理事候補選の立候補届け出には、10人の定員に11人が出馬。その動向が注目されていた貴乃花親方も理事候補としては最後の11人目に提出した。同じ貴乃花一門内にも今回は出馬の見送りを求める声があったが、あくまでも自らが出馬することにこだわった。その貴乃花親方はこの日、部屋の公式サイトでメッセージを更新した(以下、引用は原文のまま)。

 その中で「本日、日本相撲協会理事に立候補いたしました。(中略)私なりに今後の相撲界がどうあるべきかを熟考した上での決断です」と出馬を表明。「いま相撲界では、過去の反省を顧みない度重なる暴力事件や不祥事により、国民の皆様の期待を大きく裏切り、社会的な信用を損なった結果、組織としての公益性や透明性が大きく問われております」と、角界が直面する現状をつづった。

 さらに、日本相撲協会が公益財団法人であることを引き合いに出し「社会的な責任を果たすよりも協会内の事情や理屈が優先され、公益性から逸脱しているのではないかという大きな疑念を抱いております」と協会のあり方を厳しく批判する一節もあった。

 貴乃花親方が指しているのは、元横綱日馬富士(33)の傷害事件を発端とする一連の不祥事であることは明らか。その文面を読む限り、大相撲の行く末を憂う心境を素直に記したものとも受け取れる。

 ただ、この“決意表明”に対して角界内では「反貴乃花派」の親方衆を中心に猛烈な反発が広がっている。いったい、どういうことなのか。

 親方の一人は「ずっと理事でやってきた立場。今まで(理事として)何をやってきたというのか」と話し、怒りをあらわにする。

 角界で不祥事が噴出している現状は、これまでに相撲協会の運営に携わってきた歴代の理事の責任でもある。今につながる相撲界のあしき体質を“放置”してきたからだ。貴乃花親方自身が2010年の「貴の乱」で初当選以来、4期8年にわたって相撲協会の理事を務めてきた。今回の立候補者の中では理事としてのキャリアは最も長い。そんな中での貴乃花親方の「発言」は、自らの立場を棚に上げている…と受け止められているのだ。

 昨年の秋巡業中に起きた元日馬富士の傷害事件では、貴乃花親方は巡業部長の立場にありながら暴行の事実を相撲協会に報告しなかった。協会による弟子の貴ノ岩(27)への聞き取り調査にも非協力的な姿勢を貫き、協会の理事を解任されて役員待遇への降格処分となった。加えて春日野部屋の暴行事件が起きた14年当時、相撲協会の危機管理部長として事実を公表しなかった“疑惑”も浮上(本紙既報)。貴乃花親方はこの事件を知らされていなかったという一部報道もあるが、本人がこの件で口を開いていないこともあり、疑問視する声は少なくない。

 このような現状に、別の親方も「いろいろ言う前に自分の仕事を果たせと言いたい」と手厳しい。かつては「改革の旗手」と言われた平成の大横綱は、角界内からの批判にどう答えるのか。選挙の結果がどうなろうとも、今回の「発言」は尾を引きそうだ。