一転笑顔の貴乃花親方は「新型日本人」貴公俊同席会見を専門家が分析

2018年02月01日 16時30分

これまでとは別人のように笑顔を見せた貴乃花親方

 貴乃花親方(45=元横綱)が31日、東京・両国国技館で行われた弟子の貴公俊(たかよしとし=20)の新十両昇進会見に同席して、公の場で久々の笑顔を見せたことに日本中が驚かされた。元横綱日馬富士(33)が十両貴ノ岩(27)を暴行した事件が発覚して以来、無表情を貫き口を閉ざしてきた貴乃花親方の突然の豹変の理由は何なのか? 青山コミュニケーションセミナー代表で「稼げる人が大切にしている話し方」の著者、栗原典裕氏が、貴乃花親方の激変ぶりを分析してみると「一方的な合理的思考をする新しいタイプの日本人」という思わぬ結果が――。

 貴乃花部屋から4人目、さらに史上初の双子関取となった貴公俊(弟は十両・貴源治)の新十両昇進会見に同席した貴乃花親方はこれまでと打って変わって、終始笑顔の穏やかな表情を見せた。

 貴公俊が報道陣の質問に答える姿を温かく見守り「受け答えがしっかりしてるなあと思って感心していました」と話すと、「うちの師匠(父の元大関貴ノ花=故人)、また初代若乃花の親方から学んできた伝統を公俊はできる気がしています。目指しても届かない目標だと思いますので、本人にとってはやりがいがあると思います」と、愛弟子に期待をかけた。

 会見中、あまりにもニコニコしているので、そのワケを報道陣から問われた貴乃花親方は「普通にしているとニコニコと言われる(笑い)」と返して笑いを誘う場面もあった。

 昨年11月、日馬富士による貴ノ岩暴行事件が公になってからの貴乃花親方といえば、報道陣の前で笑顔どころか、まともに言葉すら発してこなかった。それを思えば、この突然の変わり身に驚かない者はいないはず。

 2日に行われる日本相撲協会の理事候補選挙を控えているだけに、それを見越しての「戦略の一環ではないか?」といううがった見方も出ているが、対人コミュニケーションの専門家はどう見ているのか?

「青山コミュニケーションセミナー」代表の栗原氏は、貴乃花親方の「真意が伝わらない」という言葉に報道陣と相撲協会への不信感がにじみ出ていることと、「~であるべき」という言葉の多用に理想論者としての強い意志が表れていると分析。この2つを前提としたうえで、今回の笑顔のオンパレードだった会見については「終始、意識的に笑っていたように見えた。今回、弟子の新十両昇進会見という晴れの場では『笑顔でいるべき』という意識が働いたものではないか。少なくとも理事選での当選を確信した安堵感の笑顔には見えなかった。むしろ、不信感を持つ報道陣と敵対しないための自己防衛だったと見ることができる」とした。

 貴ノ岩が暴行された事件の発覚以降、かたくななまでにマスコミと相撲協会から距離をとってきた貴乃花親方は、九州場所中に謝罪のために貴乃花部屋まで出向いた日馬富士と師匠の伊勢ヶ浜親方(元横綱旭富士)を無視して車を発進させたり、貴乃花部屋まで封書を持ってきた鏡山危機管理部長に面会しないなど、礼を失したとも思える場面もたびたび見られた。

「あまり日本人らしくない行動ですね。返報性の原理といって、人間には相手に何かをしてもらったらお返しをしようという心理が働く。特に日本人はその傾向が強いといわれているが、貴乃花親方にはそういう傾向が全く見られない。海外の人に見られる傾向で、全く新しいタイプの日本人と言える」と話した栗原氏は、こんな警告も。

「情理的ではなく、合理的な判断をする人。決断するときは情に流されず、スパッと決断するタイプ。ただ、情を大切にする日本において、あまりにも一方的な合理的思考は少なからず敵を生む」

 ようやく報道陣の前で口を開き始めた貴乃花親方。角界で自らの理想を実現するためには、合理的思考ばかりに固執するのは、得策ではなさそうだ。