貴乃花親方の弁明は「極めて不可解」理事解任を全会一致で決議

2017年12月28日 15時13分

理事を解任された貴乃花親方(左)

 処分は「理事解任」――。大相撲の元横綱日馬富士(33)が起こした暴行事件で、被害者の十両貴ノ岩(27)の師匠、貴乃花親方(45=元横綱)の処分を協議する日本相撲協会の臨時理事会が28日、東京・両国国技館で開かれた。

 この日は国技館の門の前に警察官が居並ぶ物々しい雰囲気のなか、午前11時から始まった会合は正午過ぎまで約1時間行われた。終了後の午後1時半から八角理事長(54=元横綱北勝海)、危機管理委員会の鏡山部長(59=元関脇多賀竜)と高野利雄委員長(元名古屋高検検事長)が会見を開き、貴乃花親方の処分案を発表した。

 貴乃花親方は巡業部長の立場にもかかわらず、巡業中に起きた暴行事件を報告しなかった。貴乃花親方は危機管理委員会の聴取などで「貴ノ岩ではなく、別の部屋の力士であったら報告したかもしれないが、自分の弟子のことだから調べようと思い、すぐには報告しなかった」「事態の把握をしなければ協会には報告のしようもなかった」などと弁明したというが「巡業部長としての危機管理能力を疑われる問題」(高野委員長)と断じた。

 また、貴乃花親方は協会からの貴ノ岩への再三の聴取要請を拒否し続け、非協力的な姿勢を貫いた。同親方は「警察捜査に支障をきたすため」と説明したが「(鳥取)県警の指示ではなく、貴乃花親方本人の判断であり、これは極めて不可解な弁明」とし、貴乃花親方の姿勢を「理事としての忠実義務違反」と“断罪”した。

 危機管理委員会によるこうした厳しい報告を受け、臨時理事会では「貴乃花理事の行為は理事の忠実義務に著しく反すると言わざるを得ない」(八角理事長)と「理事解任」が提案され、全会一致により決議された。貴乃花親方の降格処分は来年1月4日の臨時評議員会にかけられ、正式に決まる。

 理事を解任されると貴乃花親方は役員待遇委員となり、事実上の“2階級”降格となる。八角理事長によれば、貴乃花親方は理事会の決議への弁明を聞かれ「特にありません」とだけ答えたという。角界を揺るがした元横綱の暴行事件は、被害者の師匠の降格処分という意外な形で、一区切りとなる。