貴ノ岩に「救済措置」も相撲人生左右するブランクの長さ

2017年12月21日 16時30分

貴ノ岩

 元横綱日馬富士(33)による暴行事件の被害者の幕内貴ノ岩(27=貴乃花)に、相撲協会から「救済措置」が取られることが20日、決まった。

 貴ノ岩は頭部の負傷などで11月の九州場所を全休しており、26日に発表される来年1月の初場所の番付では十両に下がることが確実。さらに初場所も休場する方向だけに、3月の春場所では幕下まで落ち、関取ではなくなる可能性が高い。

 そこで危機管理部長の鏡山理事は「一方的な暴力を受けた被害者なので、協会全体として守るべき力士だと理事会で確認した」と説明した上で「3月場所の番付については配慮する」。八角理事長から初場所全休でも春場所では十両の最下位にとどめるとの提案があり、休場する際に診断書の提出を条件に全会一致で「特例」を承認した。

 これで、あとは貴ノ岩の回復を待つばかりとなったが、実際はどうなのか。前日に貴ノ岩を聴取した危機管理委員会の高野利雄委員長(元名古屋高検検事長)によれば「(貴ノ岩の体調は)快方に向かっている」という。ただ「稽古ができていないので、体重が減っている」とのことで、ブランクの影響をうかがわせた。貴ノ岩が暴行を受けたのが10月25日の夜。翌日も土俵に上がって稽古をしたとはいえ、11月に入ってから入院生活を送っており、ここまで2か月近く土俵に上がっていない。まして「貴ノ岩は現在、入院中。暴力被害の後遺症がある」(鏡山理事)という。稽古ができない状況はしばらく続きそうだ。

 角界では「稽古を1日休めば戻すのに3日かかる」とも言われている。この通りなら体調が回復して稽古を再開しても、3月の春場所には間に合わないことになる。その際はさらなる「特例」があるのか。被害者の貴ノ岩にとっても、土俵人生を左右する事態になっているのは間違いない。