大相撲の元横綱日馬富士(33)による幕内貴ノ岩(27=貴乃花)への傷害事件に関連し、日本相撲協会は20日の臨時理事会で関係者への処分を決める。元日馬富士の師匠だった伊勢ヶ浜親方(57=元横綱旭富士)は監督責任、貴ノ岩の師匠の貴乃花親方(45=元横綱)も、巡業部長の立場にありながら秋巡業中に起きた事件を協会に報告しなかったことなどが処分の対象。現職理事の両親方には「降格」や「業務停止」などの厳罰が下されることが濃厚だ。

 また、横綱審議委員会は、傷害事件の現場に同席した横綱白鵬(32=宮城野)、横綱鶴竜(32=井筒)の処分案を、20日の臨時理事会へ提言する可能性があるという。暴行を止められなかった責任を問うとみられる。両横綱の出席を要請する案も浮上している。ただ一部委員からは「相撲協会の危機管理委員会の最終報告が出ていない段階では性急だ。時間をかけた方がいいのでは」と慎重な意見も出ている。

 すでに引退した元日馬富士は協会員ではなく本来は処分の対象外だが、協会は今後に同様の問題が発生した場合の前例として処分を検討。「引退勧告」に相当する処分内容となりそうだ。