相撲協会「居留守」の貴乃花親方に強権発動も

2017年12月12日 17時00分

相撲協会に対して“塩対応”を貫く貴乃花親方

 いよいよか――。大相撲の元横綱日馬富士(33)が11日、幕内貴ノ岩(27=貴乃花)に対する傷害容疑で書類送検された。今後は日本相撲協会による聞き取り調査に、貴ノ岩側が応じるかが焦点だ。この日も貴ノ岩の師匠の貴乃花親方(45=元横綱)は相撲協会に対して非協力的な姿勢を貫いたまま。事態の収束が長期化の様相を呈するなか、協会側が“最終手段”として「強権」を発動する可能性も出てきた。

 日馬富士が書類送検されたことを受けて、日本相撲協会の八角理事長(54=元横綱北勝海)は「大相撲最高位の横綱だった元日馬富士が厳重処分意見を付されて送検されたことを厳粛に受け止めます。検察に厳正な捜査・処分を行っていただけますよう全面的に協力するとともに、再発防止策の確立に全力で取り組みます」との談話を発表した。

 今後の焦点は相撲協会による聞き取り調査に、貴ノ岩側が応じるか否かだ。これまで協会側は貴乃花親方に対して調査への協力を要請してきたが、ことごとく拒否されてきた。11月30日の理事会で貴乃花親方は警察による捜査が完了(=書類送検)すれば協会に協力する姿勢を見せたというが、現時点で対応に全く変化は見られない。

 11日の昼過ぎには危機管理部長の鏡山理事(59=元関脇多賀竜)が東京・江東区の貴乃花部屋を訪れたものの“門前払い”。調査への協力要請と冬巡業休場の診断書の提出などを求める書面をポストに投函したが、部屋関係者からインターホン越しに「次回からはファクスをお使いください」と言われてしまう始末…。その約2時間後に貴乃花親方が外出したことから「居留守」を使っていたことは明らかだ。

 鏡山理事が部屋へ足を運んだのは、これで4回目。協会は早急に貴ノ岩への調査を完了させた上で、20日の理事会で最終報告を取りまとめる青写真を描いていた。今後も貴乃花親方が強硬な姿勢を崩さなければ、問題の決着は年明けにまで持ち越される可能性もある。

 八角理事長は「電話で連絡がつかないから。鏡山部長には何度も(貴乃花部屋へ)行ってもらっている。電話で済む話なんだけど。(20日の理事会で)最終報告できればいいが、こればかりは分からない。(貴ノ岩から)話を聞けないと」と複雑な胸中をのぞかせた。

 ただ、協会側としてはいつまでも先延ばしにするわけにもいかない。スポーツ庁に早急な解決と報告を約束している上に、年明けには初場所(来年1月14日初日、東京・両国国技館)も控えているからだ。協会としては貴乃花親方への処分を含めた強硬手段に出る選択肢が、いよいよ現実味を帯びてくる。
 協会幹部は「(強権発動は)やろうと思えばできる。今までは、あえてやらないようにしてきただけ」と話す。

 本紙でも角界内には協会理事からの降格など貴乃花親方に対する処分を求める声があることを伝えてきたが、これまではあくまで貴ノ岩サイドが被害者であることから協会側も穏便に済ませることを最優先させてきた。しかし、貴乃花親方が書類送検後に調査に協力する約束をほごにするようであれば、協会側としても強硬手段を行使する正当な理由を得ることになる。

 果たして、このまま両者は“全面衝突”に突入してしまうのか。貴乃花親方の出方に注目が集まる。