幕内貴ノ岩(27=貴乃花)に暴行を加えた問題で29日、日本相撲協会に引退届を提出し受理された横綱日馬富士(33=伊勢ヶ浜)が、同日午後2時すぎから福岡・太宰府市内で会見を開き「横綱としての責任を感じ、本日をもって引退します」と話した。

 師匠の伊勢ヶ浜親方(57=元横綱旭富士)は流れる涙を拭いながら引退を報告。そして「日馬富士が今回の問題の責任を感じ、『引退したい』ということは本人から早くから言われておりましたが、ファンのみなさまに相撲を楽しんでいただきたいと思い、公表は控えさせていただきました」と、進退発表が九州場所後になったことを説明した。

 暴行については「私は16歳という少年の時から(日馬富士を)見てきておりますが、稽古で相撲に精進したのみならず、いろんな勉強もし、難病救済など社会貢献にも目が届く本当に珍しいタイプのお相撲さんだと思っていました。そして酒癖が悪いとか乱暴するとか、そういったところは見たことも聞いたこともありませんでした。だから、今回こういうことになったのが、不思議というか残念でなりません」と悔しがった。

 さらに親方は「横綱の権威を汚すようなことをした本人が一番悪いんです。他人様のせいにするわけにはいきません。本当に申し訳ありませんでしたと言うしかありません。ただただ、これまで支えていただいたファンのみなさま、相撲協会のみなさまに心からお礼とおわびを申し上げます。本当にすいませんでした」と改めて謝罪の言葉を述べた。

 続いて日馬富士がマイクを持ち「このたび、貴ノ岩関にケガを負わせたことに対し、横綱としての責任を感じ引退させていただきます。国民のみなさま、相撲ファンのみなさま、相撲協会、伊勢ヶ浜部屋の後援会のみなさま、おかみさんに大変迷惑をかけたことを心から深くおわび申し上げます」と謝罪。20秒ほど頭を下げ続けた日馬富士はカメラのフラッシュを浴びた。