大相撲九州場所(12日初日、福岡国際センター)を控えた5日、横綱白鵬(32=宮城野)が福岡・篠栗町の南蔵院で毎年恒例の必勝と安全祈願を行った。

 白鵬は詰め掛けた大勢の地元の参拝客を前にマイクを手に取ると「皆さんは私の活躍はテレビでよく見ていると思いますけど、私は何回優勝しているでしょう。39回? 当たりです(笑い)。名古屋場所では通算勝ち星の歴代1位(1050勝)になりました。ここで皆さん、拍手ですよ!」と上機嫌であいさつ。続けて「皆さんに、この九州場所で大台の優勝40回を見せられればいいと思います!!」と前人未到の大台到達を宣言すると、参拝客からは大きな拍手が湧き起こった。

 この日の白鵬は稽古場には下りず、九州入りしてからは“1勤1休”のマイペースで調整。ただ、決して調整が遅れているわけではない。

 2日には出稽古に来た十両阿炎(23=錣山)らと相撲を12番取った。4日には出稽古に訪れた幕内荒鷲(31=峰崎)らと12番をこなした。白鵬が自分の部屋以外の関取衆と相撲を取るのは、普段なら場所本番まで1週間を切ってから。白鵬も「(関取衆との稽古は)例年より早いね」と仕上がりの早さを口にしている。今回の異例とも言えるハイペースな調整は今場所にかける大横綱の本気度の表れと受け取れる。

 白鵬は1週間後の本番へ向け「これから上げていきます」と話し、出稽古などでペースアップしていく構えを見せた。9月の秋場所は白鵬を含めて3横綱が初日から休場する異常事態となったが、今場所は4横綱が揃って出場することが濃厚。その中でも、心身ともに“好仕上がり”の白鵬は優勝候補の大本命と言えそうだ。