八角親方を直撃「観客動員増の理由」

2013年01月20日 16時00分

 大相撲初場所(両国国技館)で、観客動員が回復の兆しを見せている。東京場所では2010年初場所以来3年ぶりに初日が「札止め」となったのをはじめ、4日目まではいずれも昨年初場所の観客数を上回った。これは大相撲人気の回復を意味するのか、それとも単に一時的な現象なのか。日本相撲協会の広報部長を務める八角親方(49=元横綱北勝海)を本紙が直撃した。

 

 初場所の観客動員数に“異変”が起きている。初日の観客数は札止めの1万605人(昨年比586人増)。2日目は8179人(同1675人増)、3日目は5001人(同189人増)、4日目は5804人(同620人増)といずれも昨年を上回っている。土俵上の顔触れには大きな変化はないだけに、何とも不思議な現象。これは大相撲人気の回復を意味しているのか?

 

 八角親方は「いろいろな不祥事があった。まだまだ全部とはいかないが、信頼が回復しつつあるということもあるだろう」と話す。10年は初場所後に朝青龍が暴行騒動で引退。暴力団問題、野球賭博問題など次々と不祥事が発覚した。翌11年の八百長問題でファンの不信感はピークに達した。ただ、その後は大きな不祥事は起きておらず、角界は次第に落ち着きを取り戻しつつある。

 

 一方で、八角親方は土俵の変化も指摘する。「これまでの番付が崩れてきた。日馬富士が横綱になって最初の東京場所。把瑠都が関脇に落ちてどうなるんだろうというのもある。それに、豪栄道や松鳳山、安美錦とか『何かをやってくれそう』な力士が上位に多くいることでお客さんが興味を持ってくれているのでは」。マンネリ化していた白鵬の一人勝ちの構図に変化の兆しがあることもプラス要因とみている。

 

 初場所前は渋谷の街頭ビジョンでのCM放映や新宿でのPRイベント開催など、新たな試みにも着手した。「いろいろ取り組んでいるが、すぐに効果が出るわけではない。それでも、何もやらないよりは、やったほうがいい」。今後もファンの掘り起こしを継続していく方針だ。

 

 最後に、八角親方は「最悪の時期に比べれば持ち直しているが、まだまだこれから。特に若い人や子供たちに、もっとたくさん足を運んでほしい。今日、見に来たお客さんが『また来たい』と思う取組を力士たちは見せていかないと」と力説。PRも必要だが、最終的にファンを引きつけるのは競技そのものの魅力。本格的な人気回復までには、まだ多くの時間を要しそうだ。