【全日本力士選士権大会】稀勢が復活V 九州場所では4横綱どうなる

2017年10月03日 16時30分

連覇を果たした稀勢の里

 大相撲の「第76回全日本力士選士権大会」(2日、東京・両国国技館)幕内トーナメント決勝で、横綱稀勢の里(31=田子ノ浦)が幕内豪風(38=尾車)を寄り切って大会2連覇を達成。土俵入りでは夏巡業以来となる4横綱が顔を揃えた。秋場所は3横綱が全休する異常事態となったが、九州場所(11月12日初日、福岡国際センター)で4横綱の揃い踏みはなるのか。横綱陣の現状を探った。

 稀勢の里が決勝トーナメントを勝ち上がって大会2連覇を果たした。左腕などのケガで秋場所を休場した和製横綱は「非常に良かったんじゃないですか。(休場中に)体をつくってきて(成果が)出ている。トーナメントを勝ったのは光栄。これをきっかけにしていきたい」と復活へ向けて手応えを口にした。

 ただ、1回戦から決勝戦までの5度の取組で、最大の武器である左の力強いおっつけは見せずじまい。患部の状態が気になるのか、時折、腕をグルグルと回すようなしぐさも見せた。この日が“花相撲”だったことを差し引いても、まだ完全に回復しているとは言いがたい。今後は秋巡業に参加して復活への土台づくりを進める構えで「この巡業が大事。いい状態で九州に乗り込みたい」と意欲を見せた。

 他の3横綱の現状はどうか。右足の故障で秋場所全休の鶴竜(32=井筒)は1回戦で敗退したものの、表情は意外なほど明るかった。「(7月場所で負傷してから)相撲を取ったのは初めて。何も違和感がない。良くなっている。(休場中は)相撲を取りたいという気持ちがあった。巡業が楽しみです」と順調な回復をうかがわせた。

 左ヒザ痛で全休した白鵬(32=宮城野)は、この日は土俵入りのみで取組には入らなかった。体調については「だいぶ、いいですね。あとは体をつくる段階」。5日から始まる秋巡業に最初から参加するかどうかは態度を保留しているが「すでに部屋で四股を踏んだり、トレーニングをしている。九州場所には全く問題ない」(関係者)。こちらも、回復具合は良好のようだ。

 一方で、最も状態が深刻に映るのが日馬富士(33=伊勢ヶ浜)だ。横綱陣で唯一出場した秋場所で7場所ぶりに優勝を果たしたものの、やはり古傷の左ヒジ痛を抱えて強行出場したダメージが大きかったのか。この日は初戦で敗退し「(秋場所後は)ヒジの治療をしていた。治るもんじゃない。職業病みたいなもの。巡業先に病院の先生に来てもらう」と表情を曇らせた。

 今年の3月場所から4横綱となって以降、全員が15日間を完走したことは一度もない。九州場所でも最後まで予断を許さない状況となりそうだ。