大相撲秋場所(10日初日、東京・両国国技館)を控えた3日、横綱稀勢の里(31=田子ノ浦)が部屋の稽古を欠席した。師匠の田子ノ浦親方(41=元幕内隆の鶴)は「体調を崩した」と説明。左腕などに不安を抱えており、8月28日の番付発表後は関取を相手に相撲を取っていない。今月1日に行われた横綱審議委員会の稽古総見でも四股など軽めの運動をしただけで土俵には入らなかった。

 ぶっつけ本番だった5月の夏場所でさえ、初日の8日前には関取との稽古を再開していた。本番まで1週間を切り、調整の遅れは明らか。前日2日に弟弟子の高安(27)の大関昇進披露宴に出席した際には「お互い強くなっていけばいい。自分も(状態を)戻せるように。早く土俵に戻れるようにしたい」と復帰への意欲を見せる一方で、回復には時間がかかることをほのめかしていた。

 仮に強行出場したとしても、15日間を全うできる可能性は低い。右足を痛めている鶴竜(32=井筒)も出場の見通しが立っておらず、秋場所は複数の横綱が休場することが濃厚となってきた。