大相撲秋場所(10日初日、東京・両国国技館)で復帰を目指す横綱鶴竜(32=井筒)が31日、東京・江東区の錣山部屋で出稽古を行った。四股やすり足などの基本運動で汗を流したが、痛めている右足の回復が遅れており相撲は取らずじまい。出場に“黄信号”が点灯している。

 鶴竜は「ドンと踏み込んで当たれるようになればいいけど(状態が)いまひとつ。治るスピードがスローダウンしている」と現状を説明。秋場所の出場についても「(自分が)平幕なら出られるかもしれない。(横綱は)出るからにはしっかりした相撲を取らなきゃいけないので。(夏の)巡業で稽古ができるようになると思っていた。できていれば、もっと前向きになれるんですけど…」と悲観的な言葉が口を突いた。

 週明けの7日には病院で患部の再検査を受ける予定。検査の結果次第では、そこで休場を決断する可能性もある。過去4場所のうち3場所で休場していることから、師匠の井筒親方(56=元関脇逆鉾)は次に出場する場所で進退をかけることを明言。一方で、最後に優勝した昨年九州場所からは、まだ1年も経過していない。横綱が進退をかけるタイミングとしては判断が分かれるところだが…。

 鶴竜は「その時は親方も(ファンや後援者らに)申し訳ない気持ちが強くて、そういうことを言ったんだと思う。今は違う考えかもしれない。でも(師匠の考えが変わったとしても)それに甘えたくはない。最後に決めるのは自分なので」と覚悟を口にした。

 果たして、復活した姿を見せられる日は来るのか。