日馬と蜜月の朝青龍“ウラの目的”

2013年01月10日 16時00分

 横綱日馬富士(28=伊勢ヶ浜)の「朝青龍依存症」が加速している。新横綱として臨んだ昨年の九州場所は9勝6敗と低迷。いきなり横綱審議委員会をはじめ角界から「綱の資格」を問う声が噴出する事態に陥った。窮地に立たされた日馬富士は、かねて兄貴分として慕う元横綱朝青龍(32)との関係を強化。一方で、朝青龍にとっても日馬富士の存在は「生命線」なのだという。

 

 第70代横綱が早くも窮地に立たされている。新横綱として臨んだ九州場所は9勝6敗。「横綱のノルマ」とされる12勝はおろか、大関に求められる10勝にさえ届かない体たらくだった。横審では「横綱の成績じゃない」などと酷評されているほか、親方衆の間でも「今年のうちに引退」といった見方が拡大。こうした厳しい意見は日馬富士の耳にも届いている。

 

 そんななかで日馬富士が取った行動は、兄貴分と慕う朝青龍との関係強化だった。九州場所後にモンゴルに一時帰国した際にはウランバートル市内で会食。昨年12月9日に都内で開かれた横綱昇進披露祝賀会には朝青龍が駆けつけ、場所を替えて開かれた2次会では翌日未明まで酒を酌み交わした。これまでにも頻繁に連絡を取り合う間柄だったが、さらに蜜月ぶりは深まっている。

 

 この動きについて角界関係者は「横綱の経験が浅い日馬富士にとって、最後に頼るところは朝青龍しかいない」と解説する。師匠の伊勢ヶ浜親方(52=元横綱旭富士)は横綱経験者とはいえ、現役時代の実績は朝青龍がはるかに上。しかもモンゴル語で本音を語り合うことができるだけに、逆風が強まるほど兄貴分に相談を持ちかける回数が増えるのは確実だ。今後はますます“朝青龍イズム”に傾倒していくことだろう。

 

 一方で実は、朝青龍にとっても日馬富士は「欠かせない存在」。象徴的だったのは、日馬富士が横綱への昇進を決定づけた秋場所千秋楽(昨年9月23日)。朝青龍は国技館に足を運んで日馬富士を祝福。弟分を高く抱きかかえて喜び合う姿は各メディアで大きく報じられた。実はこの行動には裏の目的があったという。

 

 事情に詳しい関係者は「朝青龍は自分の露出が減っていることに焦りを感じている。(秋場所千秋楽の)次の日に大きく取り上げられたので大喜びしていたそうだ」と明かす。朝青龍は2010年2月の現役引退後に実業家へ転身。同時に「タレント」としての顔も持っている。しかし、最近はテレビなどへの出演機会が減っている。

 

 再び脚光を浴びるチャンスをうかがっていた朝青龍にとって、弟分の横綱昇進はまさに“渡りに船”。公の場で日馬富士とのツーショットを披露すれば、おのずと自身の露出も増えるからだ。実際、祝賀会でも自ら壇上に立ってスピーチを画策していたという。かねて角界では日馬富士と朝青龍の結びつきを危険視する向きはあったが、むしろ“お騒がせ兄弟”の「相互依存」は加速している。

 

 当の日馬富士は初場所(13日初日、東京・両国国技館)へ向けて「横綱を自覚して皆さんの手本となれるようにしたい」と優等生発言をしているが…。不安は募るばかりだ。