大相撲夏場所千秋楽(28日、東京・両国国技館)、横綱白鵬(32=宮城野)が横綱日馬富士(33=伊勢ヶ浜)を寄り切って15戦全勝。6場所ぶり38回目の優勝に花を添えた。優勝力士インタビューの冒頭では「ただいま帰ってきました!」と叫ぶと四方の客席に手を振って歓声に応える場面も。「最高の気持ち。昨年の9月に2時間半に及ぶ大手術(右足親指と左ヒザ)を受けた。ケガ、リハビリといろんなことがあった」と賜杯奪回の喜びに浸った。

 大関昇進を決めた関脇高安(27=田子ノ浦)についても自ら言及。場所前には二所ノ関一門の連合稽古に出向いて高安を圧倒し、本番の対戦でも手玉に取って力の差を見せつけた。「私は高安関が幕下の時から、よくかわいがっていた。場所前の(自分が胸を貸した)稽古があったから良かったんじゃないか。(完勝した高安戦は)大きな壁があるからこそ、素晴らしい力士が誕生する」と大横綱の貫禄を漂わせた。

 その後は「彼(高安)のお母さんはフィリピン人ですから。フィリピンの国民の皆さんに『おめでとう』と言いたい」とやや話が脱線気味に…。優勝すれば言いたい放題の“白鵬節”も完全復活した格好だ。今後に向けては「大鵬関の優勝32回(を超えて)から目標を失った気持ちでしたけど、大台の40回と1047勝(魁皇の通算最多勝記録)がモチベーションになっています」。

 次の名古屋場所(7月9日初日、愛知県体育館)の焦点は史上初のV40への王手と、あと11勝(現在通算1036勝)で到達する最多勝の金字塔。今場所を見る限り、同時に達成してしまいそうだ。