大相撲夏場所6日目(19日、東京・両国国技館)、5場所ぶり9度目の優勝を目指す横綱日馬富士(33=伊勢ヶ浜)が幕内碧山(30=春日野)を寄り切って6連勝。横綱白鵬(32=宮城野)とともに全勝を守った。「相手は大きいし、突き放してくる力がある。中に入って頭をつけた。一日一番、全身全霊でやってます」と納得の表情だ。

 節目の通算800勝に到達し「うれしいです」と素直に喜んだ。初日から6連勝は2015年の初場所以来。気迫あふれる相撲を続ける一方、体のほうは満身創痍だ。この日も古傷の左ヒジや両ヒザ、両足首にサポーターやテーピングを施して土俵に上がった。4月の春巡業には参加こそしたものの、関取衆との稽古や割(取組)に加われない日々が続いた。

 その巡業中には「ヒザに水がたまっていて痛い」「ボクは相撲が好きだから。稽古ができないことが一番つらい…」などと弱音を漏らし、悲壮感を漂わせた。さらに4月に33歳となり4横綱の中で最高齢。年6場所制となった1958年以降、34歳以上まで現役を続けた横綱は初代若乃花(34歳)と千代の富士(35歳)の2人だけだ。

 日馬富士は7日目以降へ向け「一日一番、頑張ります」と力を込めた。横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)が世間の注目を集める中、先輩として再び存在感を示すことができるか。